高橋美穂さんからのメッセージ!

 “高橋美穂”さんは、自閉症の息子さんを2人かかえて、毎日、“明るく、楽しく、ゆったり”をもっとうに、子育てされていて、「“Smileスマイルつうしん”〜自閉症の息子二人とともに〜」(発行所;株式会社クリエイツかもがわ)の著者で、いらしゃる方です。

 健太郎の父親と高橋美穂さんの出会いは、2006年10月21日、東京都羽村市で行なわれた“自閉症の息子二人とともに”〜子育て・療育・教育の体験から〜と言う講演(主催;西多摩障害児教育を考える会)が、ありまして、自分の息子の教育をこれから、どうやっていけばいいのか?が、見えていなかったので、ぜひ、聞きたいと足を運んだ。そこに、高橋美穂さんが、いらして、早速、本を購入して、サインをいただきました。講演内容は、自閉症児をかかえる保護者さんと言う事で、大変勉強になる物でした。(息子さんとの壮絶な闘い、自閉症児の教育の注意ポイント等)

 父親は、「“Smileスマイルついしん”〜自閉症の息子二人とともに〜」をじっくりと読んだ。そして、その本の巻末に、Eメールの記載が、あった。そこで、父親は、自分の息子の教育に悩んでいたため、思い切って、メールしてみようと、思った。(だめもとで!)
 しかし、高橋美穂さんから返信が、返ってきたのである。父親は、大変嬉しく、また、心が、引き締まった。

  以下が、父親の質問内容と返信である。父親は、このメールで、自分の息子を“どうやって子育てすればよいか!”が、みえてきて、高橋美穂さんに、大変感謝している。

“2006年10月27日送信!”(健太郎小学校2年生)

 @講演では、あまり視覚的手がかりのお話がありませんでしたが、自閉症教育で学びやすい視覚的手がかりでの生活体系では、過ごさず、言葉によるコミュニケーションがメインだったのでしょうか?
 

回答

 いわゆるカードのような物は使っていません。視覚的な手がかりは有効な手段ではありますが、いつでもどこでも使える手法ではないと思うので、
できるだけ言葉でやるようにしました。わかってもわからなくても、話しかける、人の言葉を大切にするように心がけてきました
 
今は言葉の理解ができるので、一日の流れを言葉で伝え、紙に文字で書くようにしています。

 A服(特に上着)の着せ方、後ろと前をどのように教えていったか?印をつけているのか?高学年となりわかるようになったのか?同様に靴の左右の教え方、我が家の息子の場合、靴箱に反対に入っている場合、そのまま履いてしまう傾向にあります。

回答
 服はできるだけ前と後ろが分かりやすいものを選ぶようにしました。前にボタンがある物前だけにプリントがある物などいわゆる印のような物は付けていませんひとつ一つ「こっちが前だよ」など間違えたときには声かけをするようにしました
靴も同じで印のような物はいっさい付けていません。間違えたときに「それは違うね。こうだよ。」というように声掛けをしています。
 
今は声かけをしなくても、自分でおかしいと思って直しています子ども達の身だしなみには気を遣っています
 
きちんとした身なりをすることは、とても大切なことなので、小さいときからひとつ一つじっくり教えてあげることが大切だと
思います。
 
子育ては大変なこともありますが、楽しいこともたくさんあります。お互い楽しんで子育てしていきましょう                                              

“2007年3月17日送信!”(健太郎小学校2年生)

 
@私の息子は、小学校2年生(今年3年生ですが)“おねしょ”をオムツに毎日大量にしています。高橋さんの息子さんは、おねしょは、健常児と同じぐらいの時期にしなくなったのでしょうか?

回答
 おねしょは二人とも余りしなかったですね。2年生くらいまでで、大きい行事の前とか精神的に不安定なときが多かったと思います。
だいたい、
健常のお子さんでも4年生くらいまではする子もいるようですし、様子を見てはいかがでしょうか。
寝る前に必ずトイレに行かせることも大切
だと思います。(うちは二人とも寝る前は必ず行きます。)

 Aトイレの自立ですが、小便は、小学校前に自立していましたが、大便のトイレットペーパー使用の自立(今でも、毎朝、私が仕上げ拭きしています)は、健常児と同じぐらいの時期にできたのでしょうか?

回答
 
ウチはウオッシュレットなので、自分で洗って拭いています。でも、やり方を教えて自分でできるようになったのは4年生くらいです。
 最初にやり方をきちんと教えて、少しずつ自分でやらせるようにして、仕上げで拭いてあげるようにしていました。何でもそうですが
段階を踏まなければできるようにはなりません。言葉だけで理解できないようなら、カードなどを作って、順番をおしえてあげることが大切だと思います。

 B登校の自立は、小学校何年生の時ですか?来年度中(小学校3年生)になんとかできないかな〜と考えています。(学校も近いので)

回答
 ウチは学校まで歩いて25分かかります遠いので、登下校のルートをしっかり確認し、安全な道を選ぶのも大切ですし、本人が一人で帰ってこれるという自信が持てないうちはやらない方が良いと思います。二人とも、登下校は自立していますが、朝は私が車で送っていくようにしています。
優太も健太も4年生から一人登下校を始めています。いまはGPS機能のついた携帯を持たせて、帰るときに私に電話をかけるようにしています。
(下校中、何度か中学生に絡まれ
たこ
とがあったので)

 
Cお風呂の自立は、小学校何年生の時ですか?講演では、シャンプー等のワンプッシュを教えるのに苦労された様子をうかがっていますが。私の息子の場合、今は、すべて私が体を洗っています。自分で洗わせようとは、時々していますが、泡遊びにいつもなってしまいます。自立のこつ等、ありますか

 回答
お風呂は4年生くらいから一人で入っています。でも、いまでもちゃんと洗っているかは時々チェックしています。お風呂は自分で洗えるようにならないと一人ではいるのは無理ですね。私は洗う部位を言葉で示しながら、洗えるようにしてきました。まずは首、次は左腕というように
一回自分で洗わせてから、仕上げに洗ってあげるということを繰り返して、一人でできるようになりました。今は、二人とも一人でお風呂に入っています。

 
D私の息子は、今でも(保育園の時よりは、少なくなってきてはいますが)パニックをおこします。紙に絵を書いてあげなかった時やテレビやビデオを止めた時や自分の主張が通らなかった時等。高橋さんの息子さんは、パニックは、無いのでしょうか?(パニック対処法としては、大人が何にも言わないで静まるのを待つようにしています。)

回答
 
自閉の子でパニックがない子はいないと思います。ウチは激しいですよ。
いったん切れると、大暴れですから。
上の子は自傷ですし、今はイライラすると洋服破きますから。
下の子は他傷で物はなげるし、叩くし。
無用なパニックは起こさないようにするのが大切です。
テレビやビデオも、「これ1っぽん見たら終わり」といように子どもときちんと約束事を作っておくことが必要だと思います


 
E話言葉ですが、高橋さんの息子さんは、たしか長男さんが、映画の製作の仕事をしたいと主張、次男さんが、昆虫博士だったように記憶していますが、この様子からかなりの発語があるように思えます。私の息子は、単語を並べて大人がそれをくみとって理解すると言った形や何かしてもらいたい時、“〜してあげる!”と言い、“〜してくださいでしょ!”と毎回、言い直すと言う形で、まだ、3語文の発語がむずかしい状態です。高橋さんの息子さんは、けっこう早い時期から発語があったのでしょうか?発語を促すためには、とにかく話しかけることでしょうか?発語のこつなどありましたか?

回答
 誤った言葉の使いかたは、正しい言葉でおしえてあげて下さい。でも、けっして叱らないように。叱ると話すことがイヤになりますから。
私は別に言葉を教えるようなことは何もしていません。ただ、普通に話しかけてきただけです。あの子たちが言葉がないときから、普通に話しかけてきました。言葉が出るようになってからは、あの子たちの話をちゃんと聞くようには心がけてきました。ウチは二人とも3歳半くらいから単語をぽつぽつと話し始め、会話になうように成ったのは、小学校に入ってからです。発語を促すには、これという物はないですが、子どもの話をちゃんと聞いてあげること。子どもの興味を広げてあげること。楽しい経験をたくさんして、内言をしっかり育ててあげることだと思います。メール有り難うございました。健常のお子さんと比べず、ゆったりと子育てしましょう。私たちの子どもは時間がかかるのですから、
ゆっくり時間をかけていきましょう。お子さんと生活を楽しむことが一番だと思います。

“2007年3月28日送信!”(健太郎小学校2年生)

 
@自閉症にパニックはつきものと前回のメールで教えてもらいましたが、パニック対処法は、どのようになされているのでしょうか?

回答
 基本的には無用なパニックは起こさない方が良いと思います。そのためにも、「ビデオは何時まで」など子どもと約束事を作り、約束はしっかり守らせることをやっています。言葉だけではよく分からないので、ビデオは8時までと決めたら、時計のアラームが鳴るようにセットし、なったら終わり。と具体的にわかるようにしてあげることが大切だと思います。ウチはゲームをやらせないので、子ども達は本を読んだり、絵を描いたりしています。パニックになっても駄目な物は駄目ということをおしえることも大切だと思います。
 買いたい物があるなら、自分でお手伝いをしてお金を貯めて買わせるようにしています。高額な物は誕生時と決めています。
 それ以外は映画に連れて行くとか、一緒に遊びに行ったりするときも、「今日はおもちゃは買いません。約束が守れないなら、お出かけはしません」と言い聞かせています。わけわからなくて、大暴れするパニック以外は、言い聞かせることが基本です。
 暴れているときはしばらく暴れさせておきますが・・・
 人との交わりの中で自分の思い通りにならないことはたくさんあるわけで、それでいちいちパニックになっていては社会ではやっていけません。少しずつ自分でコントロールできるように成って欲しいと思っています。でも、健太郎君はまだ2年生ですから、これからだと思いますよ。4年生くらいになると少し落ち着きますから。
要は親がしっかりとしたかんがえを持つことだと思います。ここまでは妥協しても、これだけは譲れないというラインをしっかり持ってやっていくことだと思います。

 
A床屋さんですが、健太郎の場合、小さい頃から(健太郎が、自閉症であると診断される前から)ビデオを見せながら、私が、散髪しています。今でも(小2)同じやり方で散髪しています。(お金もかからないので)でも、床屋の経験を早い時期からしておいた方がいいのかな〜とも思っています。高橋さんのお子さんの場合、床屋さんは、どのような経緯でならしていったのでしょうか?また、現在の状況は、どんな感じですか?(床屋さんにも協力してもらわないといけないと思われますが)

回答
 うちは私が行っている美容院に事情を話して、1年生の時から二人とも連れて行っています。最初はシャンプーが駄目でしたが、今は自分から「今日はハーブのシャンプーで」などといって、すっかり大丈夫になりました。お父さんが行っている馴染みの床屋さんが有れば事情を話し、やってくれそうならつれていってみたらどうでしょうか。シャンプーや顔そりがいやなら無理せず、散髪だけお願いして徐々に慣らしていくのが良いと思います。
 
何事も経験ですからやってみないことにはわかりません。今は二人とも自分で髪型を指定したりしていますよ。

B初回の質問での回答の中に、わかってもわからなくても、話しかける、人の言葉を大切にするように心がけてきました。
今は言葉の理解ができるので、一日の流れを言葉で伝え、紙に文字で書くようにしています。”とありましたが、具体的にどのような形で息子に毎朝、書かせているのでしょうか?

回答
 私が仕事に日は、私が紙に一日の流れを書いてそれを息子に見せながら読み上げ、一日の流れの確認をします。
 
それを息子は自分で理解して、その流れに沿って行動しています。この子たちは見通しが持てないと不安になるので、一日に流れが分かるようにしてあげることは必要だと思います。ホワイトボードに予定を書いても良いと思います。
 こどもによって、どの方法があっているかわからないので、いろいろ試してみて自分のお子さんにあった方法を見つけて下さい。

“2007年4月28日送信!”(健太郎小学校3年生)

◎健太郎は、行動するとき、いちいち私に確認をとりにきます。(確認を取らないだめな場面;たとえば、スーパーにて、一人で行動してはいけない等ありますが)毎朝、トイレで、大便をした後、ウォシュレット(家も最近、ウォシュレットにしまいた。)の“おしり”ボタンを押す前に、“おしていいですか?”ときいてきます。また、毎日、パジャマのズボンの後前、ズボンを持ちながら、“いいか?”と、私に、きてきます。自分で判断して行動をする事に、自信がないようです!このような事柄に、一歩進むには、どんな工夫をしたらいいと思われますか?まだ、小学校3年生なので、待つ事ですか?

回答
 確認行動は自閉症の子どもたちによく見られる行動です。自閉症の子ども達はもともと不安感がとても強いうえに、失敗することをおそれます。子どもが確認して欲しいことにこたえることで、安心して子どもが行動に移れるのであれば、こたえてあげればいいだけのことだとおもいます。別に誰に迷惑かけるわけでもないですし。子どもの不安を取り除いてあげるのが、第一だと思います。
 
このときに「自分で考えてやりなさい」というのは禁句です。それができるなら、聞いてきたりしないですから。
 
自分で自信持って、できるようになれば、聞いてこなくなりますから。
 
優太は中学生ですが、今でも朝から晩までいろいろなことを私の確認してきます。不安感の強い子ですから。
 
親の「大丈夫だよ。それでいいよ。」の一言で、不安がなくなるんですから。どんどん、応えてあげて下さい。











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